NAWCCとは?

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◆National Association of Watch and Clock Collectors
NAWCCは1943年に時計師のL.D. Stallcup氏がニューヨークの時計学会でメンバーに声をかけたのがきっかけとなり、50の支部を持つ非営利団体として発足しました。
以来、現在まで52カ国において170の支部が設立され、2万1000人の会員を擁する団体にまで発展しました。

1952年事務局長であったペンシルベニア州コロンビアに住むStrickler氏の個人的な博物館がNAWCC本部に寄付され、1977年にNAWCCの時計博物館として一般に公開されました。(下記「NAWCCの歴史」参照)
この場所に事務局が置かれ、現在のNAWCCの本部となっています。

日本には第9支部(東京)と第108支部(セントラル東京)があります。
日本の支部に入会するにはNAWCCの会員になることが必要です。
NAWCC会員には年6回の会誌(Bulletin)が本部より郵送され、本部所蔵の図書資料や、DVDなどが利用できます。
また、博物館に無料で入場でき、本部の時計教育コースにおいて学ぶことができます。各地を回る数々のセミナーなども受講できます。
NAWCC年次総会が米国内の各地において開催され、セミナーや大規模なマートが開かれます。

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◆NAWCCの歴史
1943年、L.D.Stallcupはテネシー州ナッシュビルに住む公認のマスター・ホロロジストでした。彼は変ったムーブメントを収集しており、時計コレクターはアイデアを交換したり、複数同一品がある場合はそれを交換するために知り合いになるべきだと考えていました。
Robert Franksはフィラデルフィアに住んでいましたが、時計のニュースや協会にとても興味があり、ニューヨークに行ってはニューヨーク時計協会の会合に参加していました。
Henry B. Friedもこのグループに入っており、他にも、Jack Fuchs、Willis Milham教授、Jean Roehnch、Karl Vogel博士など、気の合う仲間が集まる唯一無二の場所でした。
Robert Franksが最も関心を寄せていたのは、文化的・古美術的な時計でした。L.D.Stallcupと同じくテネシー出身のL.E.Colemanと一緒に、Watch Collectors’ Clubの案内書を100部郵送しました。後に「会報 第1号」と位置づけられたこのタイプ印刷された5ページの小冊子に対して43名が応え、この新組織に参加しました。
1943年11月8日付の会報2号では、置き掛け時計も対象として欲しいとの要望から、National Association of Watch and Clock Collectors(全米時計収集家協会)へと名称が変更され、全米役員が選出されました。
NAWCCに先立って設立されていたフィラデルフィア・ウォッチメーカーズ・ギルドが第1支部となりました。
1944年10月28日、フィラデルフィアで第1回年次総会(後にコンベンションと呼ばれる)が開催され、定款と細則の草案がまとめられました。

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1943年以来、この非営利団体は52人のチャーターメンバーから始まり、現在では52カ国、170の支部から約21,000人のメンバーを擁する国際的な組織に成長しました。
NAWCCは隔月でBULLETINとMARTという2つの定期刊行物を発行しています。NAWCCの全米本部の所在地について、最もよく聞かれる質問が「なぜコロンビアなのか」です。
1952年、ペンシルベニア州コロンビア(フィラデルフィアの西80マイル、国道30号線沿い)に住むEarl T. Stricklerがセクレタリーに選出されたのがきっかけでした。彼は協会のすべての記録を整理し、管理していました。
1953年には、彼はBULLETINの編集者に任命されました。これらの仕事はすべて自宅の地下室で行っていましたが、NAWCCの成長に伴い、彼は従業員を雇い、オフィススペースを借りることとなりました。
1971年、会員数が12,000人に近づいたため、ポプラー通り514番地に別の建物を購入し、本部事務所としました。
1971年以前、Strickler氏は自分の住居で個人的な博物館を運営していました。
1971年、NAWCCは博物館取得委員会を設立して寄付を募り、1977年、8,000平方フィートのギャラリーが一般公開されました。
1985年にはギャラリーが増設され、展示と図書館のスペースが2倍になりました。
1998年、美術館は再び拡張され、スタッフのための新しいオフィススペースを備えた大規模な増築が行われ、美術館は古い建物全体に拡大されました。

*1993年NAWCC全国大会プログラムより一部転載(事実関係を一部更新しています)