ごあいさつ

古時計の世界へようこそ!

 時刻を知る、時間の経過を知る。我々にとって、日常欠かせない行為です。
 機械時計は人類の大発明品のひとつです。他の発明と異なり、特定の発明者はいませんが15世紀中頃に基本的な構造が考え出されたといわれています。以来、多くの優れた時計製作者がさまざまな機構を発明し、また工夫を重ねてきた結果、現在の時計があります。
 過去に作られた時計を見るとき、工夫に工夫が重ねられたその精密な機構がもたらす機能美は、見る人の心を引きつけます。同時にその機械が入れられているケースの形と装飾は、その時計が使われていた時代の社会と文化の香りを運んできます。
 時を知ることは、紀元前に発明された日時計に始まります。やがて、容器に溜まる水の量から時の経過を知ることが始まり、油やロウソクの燃えて減る量あるいは残る量、線香や粉末の香の燃えて行く量、などを使うようになりました。
 一方で、古くから太陽、月、星、星座が、空を規則的に移動する様子を、複雑な歯車を用いて再現するための工夫が考えられていました。動力は水力や紐の先につけた錘が下がる力などが使われました。よく知られる4大文明にはすでに、独特の時を知る機構、一日あるいは1年の長さを知ろうとする努力と工夫がされていたことがそれぞれ知られています。
 その後、錘が重力によって下がることによって連続的に回る歯車の動きを、一定の間隔をおいて止めること(これを脱進といいます)で、時間の経過を測る方法が考え出され、機械式の時計の原型が出来ました。この機械は1日の長さと連動させることで、昼夜にかかわらず時を示すことのできる機械、「時計」、に進化しました。この初期の単純な時計は、その後、多くの技術的また理論的な発見によって、正確に時を示す時計となっていきました。特に、振り子の等時性の発見と応用、ゼンマイの応用、脱進機構の進歩は、時計の小型化、正確さの発展に大きな貢献をしました。
 このような先人の努力で、現在では機械式時計もクオーツ式時計も、精度という点では共に極限に達しています。その設計、部品の製造そして組み立ての技術も、最高に洗練されたものになっていますが、これらはさらに正確な時計を生産すべく今も努力が続けられています。私どもが、何気なく使っている時計は、このような600年近くの時計師たちのたゆまぬ努力の結晶なのです。
 時計は不思議な機械です。遅れも進みもしないという絶対の状態があるので、手元の時計でこれを実現しようとすると、さまざまな技術的な問題を解決しなければなりません。そのたびに、私どもは先人の工夫と技術に敬服します。そして、優れたメカニズムの持つ機能美の極地を鑑賞するのです。
 古典という名を冠した本会は、このような時計の持つ独特の機能美を愛する人々と、長い歴史を経て完成の域に達した技術をいくらかでも吸収しようする人々の集まりです。古典時計協会は非営利団体で20歳代から80歳代の会員相互のボランティア活動によって運営されています。
 同じ志を持つ方の参加、入会をお勧めします。


NAWCC第108支部・古典時計協会
会長 脇田 稔

会長



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